外科
【外科(一般外科)】 【消化器外科】 【乳腺外科】 【肛門外科】 【スタッフ紹介】 【外来担当表】 【診療実績】
□外科(一般外科)
概要
外科全般にわたる全身の傷病例に対応しています。診療内容
【外傷の対応】
顔面外傷は外科で診察しますが、顔面骨折、頭蓋骨骨折、脳挫傷等は応急処置後、二次救急病院の脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科等に紹介しています。胸部外傷(血胸、気胸、肺挫傷、助骨骨折等)、腹部外傷も外科で診療します。頚椎・腰椎捻挫、胸椎・腰椎圧迫骨折、四肢の骨折及び捻挫、アキレス腱断裂は整形外科の診察となります。
【外傷以外の診療】
食道、胃、大腸(結腸・直腸)、肝臓、胆道、膵臓の各種消化器疾患や乳腺、甲状腺、気胸、ヘルニア、肛門疾患(痔など)、下肢静脈瘤、皮膚・皮下腫瘍などの一般外科の診療、手術を行っています。救急疾患は、急性虫垂炎、腸閉塞、急性胆のう炎、消化管出血、穿孔性腹膜炎など幅広く対応しています。初診時に脳神経外科、心臓血管外科、小児外科、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、婦人科、泌尿器科、形成外科等の専門的処置が必要と考えられる症例は、応急処置後、二次救急病院に問い合わせ、紹介しています。外科系疾病のすべてに関り、各専門科に紹介する適否を含め、整合性のある全身身体所見の把握、検査手順、手術、加療の優先順位等を判断し、最良の外科医療を提供することにしています。また、初診症例でなくとも他科からの紹介患者様においても、手術を含む適切な治療法を選択し、満足のいく最良の医療を提供します。
□消化器外科
概要
当院は救急か否かにかかわらず、消化器外科の各種主要手術に対応しています。対象疾患は、食道、胃、大腸、肝臓、膵臓、胆のうなどの悪性疾患(がん)と、胆石症、急性虫垂炎、腸閉塞症、ソケイヘルニアなどの良性疾患です。診療スタッフは日本外科学会指導医及び専門医、日本消化器外科学会指導医及び専門医です。 日本消化器外科学会の専門医修練カリキュラムの中で列挙されている基礎的知識を習熟し、臨床に即した対応ができるようにしています。基礎的知識とは、①輸液と輸血、②栄養と代謝、③外科的感染症、④創傷管理、⑤血液凝固と線溶現象、⑥周術期の管理、⑦臨床免疫学、⑧腫瘍学、⑨外科病理学 です。 消化器外科診療に必要な検査及び処置に習熟し、これらの臨床応用ができるようにしています。可能な検査手技は消化器内科と同じです。 手術を中心に抗がん剤治療などを組み合わせた集学的な治療を行い、治療成績の向上を努めています。 腹腔鏡下手術を用い、術後の痛みを和らげる低侵襲手術を心掛けています。 高難度の手術の一部は、山口大学医学部消化器・腫瘍外科学の援助を得ることで施行可能です。
□乳腺外科
概要
乳腺疾患全般の診療を行っています。特に乳がん診療については、早期診断・治療を積極的に行っていて、乳がん検診、視触診、乳房X線検査(マンモグラフィ検査)、乳腺超音波検査、手術、抗がん剤治療(癌化学療法およびホルモン療法)ができる体制です。診療内容
【乳がんについて】
乳がんになりやすい年齢を見ると、他のがんとは異なり、30歳代後半から増えてきて、40歳代後半と60歳代前半に罹患率が高い傾向にあります。 厚生労働省の「2019年人口動態統計」によると、乳がんは日本人女性が罹るがんで最も多く、およそ11人に1人が乳がんと診断されています。早期に見つかれば10年生存率は90%以上と高く、治癒は可能ですので、早期発見・早期治療が大切です。

(図:グラフ{年齢階級別罹患率【乳房2017】} 出典「国立がん研究センターがん情報サービス」)
【乳がん検診】
厚生労働省は、定期検診で早期発見をすると、死亡率の低下が明らかながんとして「乳がん検診」を推奨しています。対象は自覚症状のない40歳以上の女性で、2年に1回乳房X線検査(マンモグラフィ)検診が基本です。 山口県の乳がん検診受診率は26.8%と低く、全国でも最下位です。 乳がんは早期で発見された場合、10年生存率は90%以上です。40歳になったら、乳がん検診を定期的に受け、早期診断・早期治療につなげることが非常に重要です。一方、乳がんの発見契機は55%が自己発見ですので、自己チェックがとても大切です。月に一度は自己チェックを行なってください。また、もし乳がん検診で「要精密検査」となっても乳がんと診断されたわけではないので、落ち着いて早めに精密検査を受けてください。
【当院での可能な健診・検査】
(1)乳房X線検査(マンモグラフィ)1)マンモグラフィとは 乳房X線検査のことです。乳房内部の微細な変化や石灰化を鮮明に抽出することができ、しこりを触れない乳がんの発見に優れています。当院では、トモシンセシス(3D)システムを搭載した日立メディコ(HOLOGIC)社製最新のデジタルマンモグラフィ(乳房X線撮影)装置Selenia Dimensions を導入しています。トモシンセシス(3D)システム搭載のマンモグラフィ装置は当院が山口県2台目となる早期導入実績をもっており、多くのデータと検査件数に基づき、それぞれの患者様に最適な検査を実施しています。
2)トモシンセシス(3D)システムとは トモシンセシス(3D)はマンモグラフィ撮影の新しい技術です。従来のマンモグラフィ(2D)では、乳腺の厚さによっては病変と乳腺組織が異なり、病変部がわかりにくくなることがあります。また、閉経後の乳房は乳腺が減り脂肪組織が増えるためわかりやすいのですが、若年の方や乳腺組織の多い方は、これまではどうしても判定が困難な場合がありました。しかし、トモシンセシス(3D)は、多方向から撮影した画像を3次元化し、視点を変えたり、必要な断面画像のみ表示したりすることが可能となります。つまり、病変と乳腺組織が重なっていても、病変部を見つけ出しやすく病変の判定が容易となりました。なお、被ばく線量は従来の検査方法とほぼ同じなので安心です。



拡大 3)当院はマンモグラフィ検診施設画像認定施設です。 乳癌の早期発見のためにマンモグラフィ検診が推奨されています。ただ単に撮影すればよいわけではなく、効果を発揮するには、高度な読影力と高い撮影技術が不可欠です。すなわち、良い検診を受けるには、読影医師・撮影技師の教育・研修と使用する撮影装置の精度管理が適切に行なわれている施設である必要があります。当院には特定非営利活動法人日本乳がん検診精度管理中央機構の認定する「検診マンモグラフィ読影認定医師」と「検診マンモグラフィ撮影認定技師」が在籍し、また、2006年には「マンモグラフィ施設画像評価」の認定を受けてから、現在まで更新を続けており(2019年更新)、より精度の高いマンモグラフィ撮影のため、画質管理や装置の日常点検を日々行っています。県内では16施設、山口市では4施設が認定を受けています。(※日本乳がん検診精度管理中央機構ホームページより)
・乳腺疾患や乳がんに関する検査には、マンモグラフィや乳腺超音波検査などがありますが、待ち時間が短く済むように予約制としています。
・女性技師が撮影しますので、女性ならではの気配りを心掛け、安心して検査を受けていただけるよう努めています。
・マンモグラフィの撮影・読影(フィルムから診断すること)に関しては、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会より認定を受けた医師2名が診断にあたります。
・マンモグラフィの撮影・読影(フィルムから診断すること)に関しては、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会より認定を受けた医師2名が診断にあたります。
(2)乳腺超音波検査
超音波検査で乳房に腫瘤がないかどうか検査をします。乳腺の体質は人によって違い、乳腺の密度の高い「高濃度乳腺」ではマンモグラフィで乳腺全体が白く映り、がんも白く映るので隠れて見えないことがあります。特に若い日本人の女性は4割くらいが高濃度乳腺と推定されています。超音波検査は白く描出される乳腺にしこりは黒く映るので、高濃度乳腺の方に特に有用だと言われています。この検査は痛くありませんし、X線被曝もありませんので、妊娠している人にも安心です。40歳代の女性に対してマンモグラフィに超音波検査を追加することでがん発見率が高くなるという研究結果もあります。当院では全例女性技師が担当しているので、安心して検査を受けていただけます。
(3)その他の可能な検査
1)超音波下穿刺細胞診
しこりがわかったら細い針を刺して、細胞を吸引し顕微鏡検査でがん細胞の有無を調べます。
2)超音波下穿刺生検
しこりがわかったら針を刺して組織を採り顕微鏡検査で調べ、がん細胞が発見されると乳がんと診断されます。
3)胸部CT検査
両側の乳腺、腋窩のリンパ腺、肺について同時に検査します。
4)センチネルリンパ腺造影
センチネルリンパ腺とは、がん細胞が最初に到達するリンパ腺のことです。手術の前にCT検査でこのリンパ腺を描出しておき、腋窩リンパ腺の郭清範囲の方針に役立てます。
【乳腺疾患治療について(主に乳がん)】
(1)手術1)腫瘍摘出術(良性腫瘍)
局所麻酔下に腫瘍を摘出します。外来手術なので入院は必要ありません。
2)乳房部分切除術(乳房温存手術)
腫瘍の大きさが小さい場合が適応となります。残した乳房に局所再発が10%以下の確率で起こるとされていますので、術後に残った乳房に放射線治療を加えることが標準治療とされています。
3)乳房切除術
腫瘍が少し大きい場合や広範囲の場合は乳房温存手術でなく、乳房切除術が選択されます。
(2)がん化学療法1)内分泌療法
2)化学療法
3)分子標的治療
(3)放射線治療 乳がん治療については、手術のみではなく「乳がん治療ガイドライン」に準拠し、化学療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。
□肛門外科
概要
3大肛門疾患である痔核(いぼ痔)、痔瘻(肛門周囲膿瘍を含む(あな痔))、裂肛(切れ痔)について、その病期、重症度に応じて薬物療法や手術療法により肛門機能を損なうことなく治癒させることを目標としています。診療内容
【主な診療内容】
①当院で可能な検査は以下のとおりです。
(1)肛門鏡検査
(2)S状結腸内視鏡検査
(3)臀部MRI・CT検査
(4)超音波検査 等
②当院で可能な手術は以下の通りです。
(1)痔核根治手術
(2)痔核結紮術
(3)血栓摘出術
(4)痔核硬化療法(四段階注射法):次項に詳しく説明しています。
(5)裂肛根治手術
(6)肛門周囲膿瘍切開術
(7)痔瘻根治手術 等
③痔核硬化療法(四段階注射法)
当院では痔核硬化療法(四段階注射法:ALTA(ジオン)療法)を実施しています。
(1)ALTA(ジオン)療法による治療
ALTA(ジオン)とは、硫酸アルミニウムカリウム及びタンニン酸を有効成分とする局所注射用配合剤で、内痔核硬化療法剤として、レキオファーマ株式会社と田辺三菱製薬が 共同開発しました。ALTA(ジオン)は四段階注射法という独特の手技を用いて投与する為、使用に際しては痔治療に精通し、手技の理解が必要で、“内痔核治療法研究会”の指定する 講習会を修了した医師しか使用が認められていません。 当院では、院長 佐々木 明 、外科部長 水本 一生 が認定を受けています。お気軽にご相談ください。
(2)ALTA(ジオン)の有効成分
硫酸アルミニウムカリウム:痔に流れ込む血流量を減らし、痔を固め出血症状や脱出症状を改善します。
タンニン酸:硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節します
有効成分である 硫酸アルミニウム・タンニン酸の成分名を略して「ALTA療法」といいます。
(3)治療方法

肛門内を十分に観察する為、腰椎麻酔下で施行しますが、注射が主体の為切除や縫合は行いません。一つの痔核に対して分割して4箇所(上図)注射します。これは薬液を十分に浸透させる為の方法で、「四段階注射法」といいます。ALTA(ジオン)を投与すると、痔核を養っていた血管がつぶれ痔核自体が小さくなり出血が止まります。痔の脱出の程度が軽くなり、痔核のくっついている粘膜組織が硬くなり癒着・固定されます。次第に痔核の脱出(脱肛)がなくなります。複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。また、外痔核を合併している場合には切除術を行うことがあり得ます。手術に要する時間は10~15分程度です。
□スタッフ紹介
院長 佐々木 明

日本消化器外科学会認定医・専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
麻酔科標榜医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本医師会認定産業医
人間ドック健診専門医・指導医
マンモグラフィ読影認定医
外科部長 水本 一生

日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本がん治療学会 認定医
外科 中島 正夫 (山口大学医学部付属病院)
外科 兼定 航 (山口大学医学部付属病院)
外科 山田 健介 (山口大学医学部付属病院)
□外来担当表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 佐々木 明 水本 一生 | 佐々木 明 水本 一生 | 佐々木 明 水本 一生 山田 健介 | 佐々木 明 水本 一生 中島 正夫 | 佐々木 明 水本 一生 | 佐々木 明 水本 一生 兼定 航 |
午後 | 佐々木 明 水本 一生 | 佐々木 明 水本 一生 | - | 佐々木 明 水本 一生 中島 正夫 | 佐々木 明 水本 一生 兼定 航 | - |