消化器内科
概 要
消化器内科は、消化管(食道、胃、小腸、大腸)、肝臓、胆道(胆嚢、胆管)、膵臓など多くの臓器の疾患を診ています。これらの臓器に問題がおきると、腹痛、嘔気、下痢、便秘、食指不振、体重減少などの症状がでます。これらの症状でお困りの方や、検診の胃カメラなどをご希望の方はお気軽に受診してください。
診療内容
当院は、消化器疾患を専門として歩みを進めてきました。例年3500〜4000例の胃カメラを施行し、病気の早期発見、早期治療に努めてきました。今後も最新の技術や機器を取り入れて、診療の質の向上、維持に努めて参ります。当院では、胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー、レントゲン、CT、MRIの検査ができます。病状や疾患にあわせて適切に検査を提示します。
苦痛の少ない検査を目指して、麻酔を使った胃カメラ、大腸カメラを受けることができます。罹患率の高い胃がん、大腸がんの早期発見のために内視鏡検査は重要です。
胃カメラ・大腸カメラ のページをご覧ください。
【腹部エコー検査】
肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器をしらべる検査です。脂肪肝、肝腫瘍、胆のう結石、胆のうポリープ、膵腫瘍、腎結石などの様々な疾患がわかります。
※診察日の午前中に絶食で来院されたら、基本的にはその日に検査が可能です。あらかじめ予定されている場合には事前に電話予約をお願いします。当日の待ち時間を少なくできます。
【逆流性食道炎】
胃酸が食道に逆流することで、胸焼け、みぞおちの痛みを感じます。症状は多彩で、げっぷ、胃もたれであったり、酸っぱい、にがいものが口に上がってきたり、喉の違和感、また慢性的な咳といった症状が出ることもあります。
胃酸の分泌が多い食後すぐに横になることや、炭酸飲料、脂肪の多い食事は胃酸逆流の原因になりやすいので控えたほうが良いでしょう。胃酸を抑える内服薬で症状がとれることも多いです。
症状がつづく場合には、胃カメラをお勧めします。食道や胃のほかの病気がわかることもあります。飲酒、喫煙をする方は食道がんのリスクが高いため要注意です。
【ヘリコバクター・ピロリ菌】
胃がん、胃潰瘍の多くは、胃に感染しているピロリ菌が原因です。ただし、病院を受診していきなりピロリ菌の検査をすることは保険診療上できません。胃カメラを受けて、ピロリ菌の感染による胃炎などの変化があれば、ピロリ菌を調べることができます。
胃薬と抗生剤のセットを7日間内服するだけで8−9割の成功率でピロリ菌を除菌することができます。除菌をすれば、胃がん、胃潰瘍などのリスクを下げることができます。
【大腸ポリープ】
大腸がんの多くは、小さなポリープ(腺腫)が数年かけて大きくなり、大腸がんに変化していくことがわかっています。ポリープの段階で切除することが、進行した大腸がんの予防として重要です。大きくなってきて大腸がんに変化していても、早い段階であれば内視鏡的に切除して治癒できることも多いです。多くのポリープは内視鏡的に切除して日帰り治療ができます。
【潰瘍性大腸炎/クローン病】
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は増加傾向にあります。どちらも10−20代のうちに発症することが多い疾患です。頻回の下痢がつづく、便に血が混じる、腹痛がたびたびあるなどの場合には発症している可能性もあります。内視鏡検査などで診断することができます。早期に診断して治療を開始していくことが重要です。
【便秘】
便がかたい場合には、水分を多めにとることや、便をやわらかくする薬を少し服用することで便が出やすくなります。最近は、腸をつよく刺激せずに排便をうながす便秘薬が増えました。市販薬で改善しない便秘でお悩みの方は受診してみてください。また、大腸がんが関わることもあるため、大腸カメラを検討した方がよいこともあります。
【胆のう結石/胆のう炎】
胆のうは、肝臓でつくられた胆汁という消化液を一時的にためておくところです。胆のうに結石ができても無症状のことが多く、健診の腹部エコー検査などで指摘されてわかることがあります。無症状であれば、胆石があってもそのままで良いことがほとんどです。
胆石があると脂肪の多い食事をとった後などに、右上腹部が痛くなる発作を起こすことがありま
す。痛みがつづく状況になると、胆のうに炎症を起こし、胆のうを摘出する手術が必要になることもあります。
【膵のう胞/膵がん】
膵のう胞は、膵臓にできた液状のできものです。膵炎後にできたものや、腫瘍性のものまで様々です。膵のう胞は、膵がんになるリスクがあるため、腹部エコー検査やMRI(MRCP)、造影CT検査で評価し、定期的に経過をみた方がよいです。
膵がんは、発見が難しく、予後の悪いがんとして知られています。以下のリスクのある方は定期的に検査をして早期発見をしていくことが重要です。
- 家族に膵がんになった人がいる(特に重要)
- 糖尿病がある
- 肥満、慢性膵炎がある
- 喫煙、大量飲酒
- 膵のう胞を指摘された
【肝炎/肝硬変】
肝炎の多くは肝炎ウィルス(B型、C型など)によるものが以前は多かったのですが、最近は治療薬の開発によって減りました。肝障害の原因として、生活習慣病にかかわる脂肪肝が増えています。また、アルコールが原因の肝障害も以前からみられます。肝炎がつづくと肝臓にダメージが蓄積して肝硬変になります。肝硬変になると、黄疸、腹水が出てきて命に関わる状況になることや、肝臓がんができるリスクが高くなります。早い段階で肝障害をみつけて治療をはじめ、肝硬変にならないようにしていくことが大事です。
※当院は、山口県より「肝疾患専門医療機関」に指定されています。連携拠点病院は、山口大学医学部付属病院です。